07 ダイヤモンドの鑑定について教えてください。
ダイヤモンドは、鑑定によって、等級づけされます。鑑定は、そのダイヤモンドがどの程度価値あるものなのか、つまり、品質を判定するためのものです。その際には、Carat(カラット),Cut(カット).Clarlty(クラリティ)、Color(カラー)の四つの項目で評価されます。四つの項目の頭文字がすべてCなので、これは4Cとよばれます。

Carat:
カラットは宝石の重さを表す単位です。1カラットは0.2gと決められています。これは特別の電子天秤を使って量ります。

Cut:
カットはダイヤモンドの美しさを引き出すたいへん重要な要素です。良質のダイヤモンドも、上手にカットされないなら、美しく輝きません。ダイヤモンドにはぷつう、ラウンド・ブリリアント・カットという、特殊なカット形式が施されます。これは、ダイヤモンドの光学的特性を生かし、その美しさを最大限に引き出すカットだと云われています。

図1は、理想的にカットされたダイヤモンドでの、光の反射と屈折です。図2のように浅いカットだと、クラウン側から入った光はパビリオン部で二度反射して再びクラウン部からでているのですが、テーブル面から入った光はパビリオン面で反射することなく、洩れ出ています。これではバランスよく輝いてくれません。反対に、深すぎるカット(図3)では、クラウン側から入った光が反射することなく、パビリオン部で洩れ出ています。
このように、ダイヤモンドの輝きにたいへん大きく作用するカットの良否を採点するのが、カット評価です。
カット評価は、理想的なカット形状を基準に、プロポーション(形)とフィニッシュ(仕上げ)の、減点法で採点されます。フィニッシュでは、シメントリー(対称性)とポリッシュ(研磨)の2項目が評価の対象になります。欠陥があると減点されます。そうして各項目について採点した結果、総合的評価が与えられます。
その評価は、従来、ExceIlent,Very Good,Good,Medium、Fair,Roorの6段階評価が一般的だったのですが、最近、全国の鑑定機関は、Mediumを省く5段階評価に移行しつつあります。




Clarity:
クラリティは、内包物(キズ)の状態で判定されます。顕微鏡やルーぺを使った拡大検査で、それを調べるのです。内包物(キズ)がどの程度あるのか、どれくらいの大きさか、どんな種類のものなのか、たいへん詳しく調べます。どの位置にあるのかも記録します。同じ大きさの内包物(キズ)でも、真ん中にあるのと端っこにあるのとでは目立ちかたがちがうし、美しさに与える影響もちがうからです。そうして総合的に判定されたものは、つぎのように等級づけされます。

★ クラリティの等級 ★
クラス 10倍に拡大した時の状態
FL 熟練した者がルーペ又は顕微鏡で10倍に拡大したときの状態で、内包物が見えない
IF 内包物は見えないが、軽い研磨で除去可能な微少な外部の欠陥がある
VVS1 発見困難な、非常に小さい内包物がある
VVS2 発見困難な、非常に小さいが、VVS1よりわずかに発見しやすい内包物が見える
VS1 発見困難だが、VVS2よりは発見しやすい内包物が見える
VS2 発見困難だが、VS1よりはわずかに発見しやすい内包物が見える
SI1 VS2よりは発見しやすい内包物が見える。しかし依然肉眼での発見は不可能
SI2 SI1よりはわずかに発見しやすい内包物が見える。しかし依然肉眼での発見は不可能
I1 容易に内包物が見える。注意すれば肉眼でも発見できる
I2,I3 容易に内包物が見える。肉眼でも発見できる

Color:
ダイヤモンドの色を評価するなんて聞くと、すこし不思議な感じがするかもしれません。けれど、一見、無色透明に見えるダイヤモンドにも、ほんのすこし色が着いているのです。しかしそれは、適切な照明の下、熟練した者が、いくつかのマスターストーン(基準になる石)との比較によって、はじめて区別かつく程度のものです。

この色は、DからZまでの23段階に渡って、等級づげされます。完全な無色のDカラーがもっとも良く、Zに近づくほど、黄色っぽくなっていきます。
げれどじっさい流通しているダイヤモンドはせいぜいL、Mどまりです。そのランクになると、すでに素人眼にも、黄色味がかっているのが分かるでしょう。


なお、ダイヤモンドには、これとはべつに、はっきりと色の着いたものもあります。ピンクやプルー、ブラウンやパープルなど、さまざまな色合いのものです。これらは、見てあきらかに分かる色をしています。これらのダイヤモンドはファンシー・カラーとよばれます。ピンクやブルーのものは、稀少価値が高く、ときにDカラーの無色ダイヤモンドを凌くほどの高い値段で取引されます。

*以上の評価方法は、日本で一般的に定着しているGlAシステムを基本にしたものですが、各々の鑑定機関によって、若干の相違があります




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