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本書(『やさしい宝石教室Q&A』)の著作権は株式会社ジェムスターに帰属します。本書、および当サイト掲載の文章、画像、イラストレーションの無断転載はできません。
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■『やさしい宝石教室Q&A』
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真珠のつやがなくなってきた、どうしたらいいのか、というような相談はよく受けます。聞いてみると、真珠が好きで、常日ごろ真珠をよく身につける方たちばかりです。
その真珠を見せてもらうと、たしかにつやがありません。俗にいうところの、ボケ珠状態です。さらにルーぺでよく見てみると、キズがいっぱい。何年くらい使っていますかと間くと2年くらいという答えが返ってきます。なにか手入れをしていますかと聞くと、いいえなにもしていません、と云う方がほとんどです。このままだとそのうちボロボロになりますよと私は云うのですが、これは意地悪ではなく、ほんとうのことなのです。
真珠は硬度の低い宝石です。空気中のほこりでキズがついてしまいます。なにも手入れをせずに、長いことつけ続けていると、無数のキズがついていきます。3,4年放っておけば、もうボロボロになってしまうでしょう。真珠はキズつきやすい宝石なのだとまず知ってください。普段の手入れがとても大事な宝石なのです。
ほこりに対しては、他の宝石以上に神経質になる必要があります。空気中のほこりのなかには、石英(硬度7)の微粉が含まれているのですが、硬度3〜4程度の真珠はこれに簡単に負けてしまうからです。真珠を毎日つけ続けて、なんの手入れもしないでいることは、柔らかい肌をガラスの被片の舞う世界に晒すに等しい行為です。毎日つけるにせよ、夜には必ずはずして、ほこりをはらう、くらいの手入れは是非してください。乾いたやわらかい布で、ほこりをはらいます。きつく擦ることはしないように。ついていたほこりが擦りつけられて逆効果、キズがついてしまいます。
また真珠は、化粧品、香水、ヘアースプレー、洗剤などを嫌います。お化粧を済ませて、髪もセットし、香水が乾いてから、身につけるようにしてください。食器洗いのときなどは、リングをはずすこと。
真珠に汗も大敵です。夏場の使用には注意が必要。とりわけ手入れを徹底してください。ほこりだけでなく、汗も拭き取ること。汗がついたまま放っておくと、つやが損なわれます。拭き取る際には、乾いたやわらかい布を使用してください。そして風通しの良い、陽の当たらない場所に保管すること。
ネックレスの場合、2〜3年に1回は、糸替えすることをおすすめします。他の宝石と一緒に保管するのは厳禁です。擦れ合うとキズがつきます。他の宝石とは別個に保管するようにしてください。
以上のように、真珠はたいへんデリケートな宝石です。だから、配慮のある取扱いが求められます。真珠をだめにしてしまって悲しんでいるひとは、真珠か好きで、身につける機会の多いひとたちばかりなので、残念に思います。普段のちょっとした手入れさえ怠らなければ、真珠の美しさを長く保つことは可能なのですから、そのことを是非知ってほしいと思います。
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