11 誕生石以外の宝石で人気のある宝石にはどんなものがありますか
タンザナィト(ブルー・ゾイサイト)
この美しく魅力的な青色宝石が、誕生石から除外されているのは、この宝石が発見され、本格的に商業ベースに乗り始めたのが、比較的最近のことだったからにすぎません。これから先、誕生石リストのどこかに組み込まれる可能性は充分あると云えます。これからの宝石だと云えるでしょう。タンザナイトは、鉱物名で云うと、ゾイサイトです。60年代の終わりに、タンザニアで採掘されたブルー・ゾイサイトを、産地に因んで、タンザナイトと名づけ、積極的な販売促進に乗り出したのは、かの有名なティファニー社でした。最初は、産出量が一定しなかったため、手が届きにくい宝石でしたが、最近になって、産出量が増え、価格も安定し始めたことから、世界的な広がりを見せ始めています。
タンザナイトは、一見、ブルー・サファイアによく似て見えます。しかしタンザナイトは、サファイアに対するチープな代用品なのではありません。タンザナイトは、独自の美しさをもった宝石です。その美しさはサファイアを凌ぐ、とまで云うひともいるほどです。ただ、タンザナイトは、硬度が低いこと(6〜7)が欠点で、たとえば同品質のサファイアと比較して、価格がかなり安いのはそのためだと思われます。けれどこのことは、むしろチャンスだとも云えます。ひとによってはサファイアを凌ぐとまで云われている美しい宝石が、比較的買い求めやすい価格で流通しているのですから。また、タンザナイトは、多色性、という性質をもっています。見る角度によって、ちがういくつかの色が見えるという特質で、これもまた、タンザナイト独特の美しさに作用しています。
パライバ・トルマリン
このトルマリンの一種を、10月の誕生石トルマリンの項から敢えてはずし、わざわざこの欄外に持ってきたのには、理由があります。
数年前、ブラジル・パライバ州ではじめて発見された、この青色から緑色までの色の範囲をもつトルマリンの美しさは、その質からして、従来のトルマリンを、まったく超越しているのです。さらに、そのブライトで、質感のある、独特の輝きは、他のどの宝石にも似ていません。これは、まったく新しいタイプの宝石です。従来の、気品ある、しっとりと落ち着いた色合いの宝石とはちがう、力強く、鮮やかな、輝きをもつ宝石なのです。
当然のことながら、このパライバ・トルマリンは、その類い稀なる、独特の美しさの故、デビュー以来、宝石を愛するひとびとの、好奇と羨望の的となり、たいへんな注目を集め続けています。しかし、残念なことに、その産出はいまだ少なく、手に入りにくい上に、たいへん高価な値段で取引されているのが現状です。
クンツァイト
クンツァイトはスポデューメンという鉱物の一種です。美しいライラックピンクのスポテューメンを、クンツァイトとよんで区別しています。
日本ではまだあまり馴染みのない宝石ですか、アメリカなどではかなり人気のある宝石です。ズポデューメンは、著しいへきかい性をもっているので、超音波洗浄を避けるのはもちろん、日常の取扱いでも、ぶつけたり落としたりしないよう注意することが必要です。
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