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■『やさしい宝石教室Q&A』
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12 特殊な宝石にはどのようなものがありますか?
 ある種の宝石は、特殊な光の効果を示す場合があります。それらはすべて、それぞれの特徴的な内部構造が原困になっています。

キャッツアイ効果:
ある種の宝石は、平行に並んでいるたくさんの綱い針状のインクルージョンをもつ場合があります。この場合、その宝石の底面をそのインクルージョンと平行になるようカボション・カットしてやると、その結果、宝石の表面に明るい一本の光の筋が現れます。
その光はまるで猫の目のように見えます。だからこれをキャッツアイ効果と云うのです。

キャッツアイ効果を示す代表的な鉱物にクリソベリルがあります。一般に、宝石名としてキャッツアイと云うときには、このクリソベリル・キャッツアイのことを指しています。トルマリンやクォーツのなかにも、この効果を示すものがありますが、もっとも美しく、評価が高いのはクリソベリル・キャッツアイです。


スター(星彩)効果:
スター効果の原理は、キャッツアイ効果と同じです。この場合も、平行に並んでいるたくさんの綱い針状のインクルージョンが原因になっています。ちがうのは、キャッツアイの場合、平行に配列していたインクルージョンが一方向だったのに対して、こちらは2方向〜3方向あるということです。そして、それら平行に配列した2つ以上のインクルージョンは、互いに交差しています。2方向のインクルージョンが交差しているとき、4条のスター効果を示します。これが3方向のときには6条の、4方向の場合には12条のスター効果を示します。
スター効果を示す代表的な宝石には、ルビーとサファイア(通常6条のスター効果)があります。
スター効果を示す宝石も、その効果を最大眼に引き出すよう、カボション・カットが施されます。


遊色効果:
オパールが示す独特の光の効果です。虹色の光が三次元的にゆらゆらと揺れているような外観を示すのが特徴です。この効果もオパールの内部構造が原因になっています。オパールの内部は、均一のシリカの球状粒子が三次元的に積み重なった独特の構造をしています。その積み重なりかたは規則正しいのですが、球状粒子の大きさは、個々のオパールによってちがいます。
この積み重なる粒子の大小が、遊色の色合いを決定します。小さい粒子が慣み重なっていると紫の色合いの遊色、大きな粒子が慣み重なっていると赤い色合いの遊色効果を示します。


シーラー効果(シーン):
これは主にムーンストーンに見られる光の効果です。この効果はここでも、ムーンストーン独特の、薄い層が幾重にも積み重なった内部構造が原因になっています。積み重なる層の厚さが薄いと青色のシーン、厚いと白色のシーンを示します。シーンは、青みがかっているほど美しいとされています。それはまるで、青い月の表面がぼう一と輝いているように見えます。良質のものでは、見る角度を変えるとシーンもすうーと動きます。


変色効果:
アレキサンドライトがこの効果を示します。昼間の光で見たときと、夜の光で見たときとでは、色がちがうというのが、この変色効果です。アレキサンドライトは昼の光では緑色に見え、夜の光では赤色に見えます。
アレキサンドライトはキャッツアイと同じクリソベリルという鉱物です。ですからなかにはキャッツアイ効果を示すアレキサンドライトもあります。これは非常な稀少価値があり、したがって高価です。




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