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本書(『やさしい宝石教室Q&A』)の著作権は株式会社ジェムスターに帰属します。本書、および当サイト掲載の文章、画像、イラストレーションの無断転載はできません。
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■『やさしい宝石教室Q&A』
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21 宝石に財産性や投機性はあるのでしょうか?
たとえばダイヤモンドの場合は、独占企業デビアス社の、生産及び価格調整が、かなりの程度効果をもち、その価格は、長期的、継続的に上昇傾向にあります。けれど世界的な不況のあおりを受けて、価格が下落した年もあります。比較的シンプルな流通システムをもつダイヤモンドでさえ、こうなのですから、それ以外の宝石の場合は、価格変動ははげしく、業界の流通システムの複雑さもあって、シリアスな投機の対象にはならないと云っていいでしょう。
たしかに品質の良い宝石は、かなり長期的にみると、価値は上がります。けれどすぐに上昇する訳ではありませんし、ましてやそれで利益を得ようなどと考えないほうがいいでしよう。少なくとも宝石は、株のように、今日100万円で買ったものが、1年後には130万円、5年後には200万円の価値がでてくる類いのものではないのです。
「いい宝石は財産ですよ。5年後には2倍の値段になっていますよ」などという宝石業者もいますが、宝石とはそういうものではないのだと知ってください。
宝石とは身につけて楽しむものです。美しく、稀少性があって、その美しさが、ほとんど永久的に長続きするから、価値があるのです。買った宝石を、何十年も身につけて楽しんだ後、それでもまだ同じだけの美しさと、それ以上の価値が残っているものです。
「これは母が若い頃からつけていたルビーです。まだまだきれいだったし、指輪だったのをリフォームしてペンダントにしたんです」。こういうことばをじっさい聞いたり、見たりする度に、そこに宝石がもつ優れた財産性を感じるのは、たぶん私だけではないでしょう。 |
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