●エメラルドとは
エメラルドはたいへん古い歴史をもつ宝石です。紀元前四千年頃には、バビロニア帝国の首都バビロンで、すでに取引されていたと伝えられています。そこでエメラルドは、ヴィーナスに捧げる宝石、と呼ばれていたそうです。かれら古代人は、エメラルドの美しさに魅了され、神々しい畏敬の思いでもって愛していたのです。
歴史上、エメラルドを愛した人として、もっとも有名なのは、おそらくクレオパトラでしょう。このエジプトの女王は、じぶんだけのエメラルド鉱山を所有していました。後にクレオパトラ鉱山として語り継がれることになるこの鉱山は、たいそう豊か鉱源であったらしく、古代の宝飾品に使われたエメラルドの大部分がここから採られたものであるとされています。
現在では、コロンビアの産出量が世界の産出量の半分近くを占めています。チボー鉱山とムゾー鉱山、このふたつが有名で、良質のエメラルドが多く産出されます。
●エメラルドの特質とカット
エメラルドの硬度は7.5〜8ですが、ややもろい特性を、もっています。この弱点をカバーするため、エメラルドにはたいてい、エメラルド・カットという、独特のカットが施されます。四スミの角が切り取られているのが特徴です。これは外からの衝撃をあらかじめ防止する働きをします。
同時に、このカットは、エメラルドの美しさを最大限に引き出すカットでもあります。
●キズ(内包物)と処理
エメラルドはもともとキズ(内包物)の非常に多い宝石です。内包物の多さは透明度を損ないます。
そこでその内包物を目立たなくして、色を良くする処理が、一般になされています(エンハンスメント)。
●ひすいとは
二種類のひすいがあります。鉱物名で云えば、ジェダイトというひすい、ネフライトというひすい。
ジェダイトには価値があって、ネフライトはそれほどではありません。指輪やネックレス、帯留などに使われているのがジェダイト、ネフライトは彫刻されて、置物として使われることがほとんどです。
註).当サイト掲載商品で、「ひすい」と表記しているものは、すべてジェダイトです。
私たちは一般に、ジェダイトのことをひすいとよんでいます。
ひすい(以下、ジェダイトのことをひすいとよぶ)は緑色のものがもっともポピュラーです。けれど、ラベンダーや赤、オレンジや黒といったさまざまな色のひすいがあります。
●硬度
ひすいの硬度は7。しかし割れにくさはダイヤモンド以上です。これは石の内部が密集した繊維状になっているためです。
●品質と選び方
ひすいは半透明から不透明な石です。グリーンであれ、ラベンダーであれ、より透明度の高いものほど、よいとされます。透明度の高い濃いエメラルドグリーンのものが、もっとも高価です。
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