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■『やさしい宝石教室Q&A』
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■12月の誕生石 トルコ石、ラピス・ラズリ■

●トルコ石とは

なまえから連想するのとはちがって、トルコ石はトルコから産出される訳ではありません。けれどどうしてトルコ石なのかというと、ペルシャの石が、トルコ経由でヨーロッパに持ち込まれたからだ、というのがひとつの説。それからかつてのヨーロッパのひとたちにとって、トルコというのは、エキゾチックで、なにかしら捉えどころのない、未知なもののように感じられていた。その感じが石の感しにびったりあっていたので、トルコ石と名づけたのだという説。いずれにせよ、かれらはトルコ石のふしぎな魅力を知っていて、それを珍重していたことはたしかです。


●硬度

5〜6。けっして強靱な宝石ではありません。他の宝石と擦り合わせないよう注意してください。


●多孔質

トルコ石はたくさんの微細な結晶の集合体です。そして多くの孔(あな)をもっています。これを多孔質と云います。その孔は水分で満たされています。そこで熱や乾燥に注意する必要があります。水分が蒸発すると亀裂が生じ、割れや欠けの原因になるからです。家事の際にははずしてください。また、水洗いや超音波洗浄は厳禁です。取れたはずの汚れが水と一緒に吸収されてしまうからです。すると石は黒ずんできます。


●マトリックス・トルコ石
トルコ石は、充分な大きさの石として採れない場合、母岩をくっつけたままカットされることがあります(褐色の蜘蛛の巣がはったような外観)。これをマトリックス・トルコ石と呼びます。

●産地
イラン(ペルシャ)がもっとも重要で、最良質のものはほとんどここから産出します。

●品質と選び方

緑がかっていない、濃く、深みのあるスカイ・ブルーが良質とされます。マトリックスが入っているか否かは、ある程度、好みの問題。石そのものの色調が最優先されます。



●ラピス・ラズリとは

ラテン語で、ラピスは石、ラズリは青を意味します。歴史の古い宝石ですが、古代では、サファイアと混同されていたようです。
日木でも、瑠璃(るり)、の和名で古くから親しまれていました。また、仏教の世界では、七宝のひとつにも数えられ、たいへん重宝されています。

●品質と選び方

群青色の色合いが、石全体に渡ってムラなく広がっているのが良質とされています。ところで、ラピス・ラズリは、数種類の鉱物が混合してひとつの塊になった宝石です。群青色の地肌に、キラキラと光る金粉のようなものが含まれている場合がありますが、これはパイライトという鉱物が一緒に取り込まれているからです。このパイライトは、ふつう、合まれていないほうが良いとされています。しかしパイライトの有無は好みの問題だと思います。金色のパイライトは、見るひとによっては、満天の星のように見え、この宝石を個性的なものにしていると感じられるでしょうから。

●硬度と取扱い

硬度は5.5。キズつきやすい宝石だといえます。しかし割れや欠けに対する低抗力は、たいへん強い宝石です。
薬品には弱いので、香水やヘアースプレーなどに注意してください。



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